Herbal Healing 薬草芳香植物紹介ブログ

英国在住メディカルハーバリスト&アロマセラピスト リフレクソロジスト/Herbal Healing 運営 RIEKO OSHIMA-BARCLAYの ブログ別館(薬草芳香植物紹介ブログ) こちらのブログでは各薬草、精油の特性や使い方などを記録ご紹介していきたいと思います。

Calendula officinalis

マリーゴールド
英名/Marigold
学名/Calendula officinalis
和名/トウキンセンカキク科キンセンカ属

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使用部分:
主に花部、または全草

主な薬効:
創傷治癒/消炎作用/穏やかな殺菌
消化促進/苦味強壮/胆汁分泌促進使用
抗バクテリア/抗真菌/抗ウイルス
免疫力促進/リンパ系の活性と浄化
穏かな発汗/鎮痙作用
収斂/止血作用
月経調節


味/性質:
甘味・苦味・鹹味・ほのかな辛味ホット 1 (穏やかな発汗作用)
シチュエーションに応じ 乾/湿の両方の性質を示す 
ドーシャ: PK −  V+

支配星:太陽 サイン:獅子座

禁忌/注意:キク科の植物に対してアレルギーがある場合。

妊娠初期の多量使用は避けること。

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主な薬理作用を見ていただけるとわかりますが、バラエティーに富んでいますよね。その中でも創傷治癒/消炎作用 の二つにはかなり定評があるハーブです。写真のように、お花を植物油に漬け込んで作られる『カレンデュラ浸出油』はハーブを学んだ方であれば知らない方はいらっしゃらいと言うくらい、今ではハーブ愛好家の中では人気のアイテムの一つですよね。『カレンデュラ浸出油』をベースに作る、クリームや軟膏も傷や湿疹だけでなく、あかぎれなどの季節に欠かせな〜いアイテム♫
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『カレンデュラ浸出油』

 
あ、、たま〜にこの『カレンデュラ浸出油』をつけると余計に痒くなってしまうという方もいらっしゃいます。使っている植物油に反応している場合もたまにあるので、気になる方は、異なる植物油にチェンジして再度作って見てくださいね〜。ちなみに『カレンデュラ浸出油』は私の世代のハーバリストは温熱方(湯煎で作る/Infused oil)での製作をする方が多いかな〜。温室や、日本の暖かい気候などであれば、太陽光線法/ Macerated oils でも十分に作れると思います。(イギリスの場合気温がイマイチ低いからね〜笑)

 


外用としての創傷治癒作用は:
傷、火傷、日焼け、出血部分、化膿した傷や部分、潰瘍、ニキビ、湿疹などからおむつかぶれや虫さされなどにも活躍します。うがい薬などでは:口内炎・歯肉炎、扁桃腺などにも利用できます。浸剤を冷やして使ったり、チンキ剤を水で薄めて使って見てくださいね。

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創傷治癒/消炎作用に関しては内服/外用の両方の利用

マリーゴールド/カレンジュラが特に利用されるケースと言いますと皮膚疾患と婦人科系の疾患がやはり多いのですが私は皮膚疾患では必ずと言って良いほどマリーゴールド/カレンジュラのハーブ、チンキであれば通常25%度数のチンキ剤を利用する事が多いです。バクテリア感染などの場合90%度数のチンキ剤を利用する事が多いです

 

参考までに簡単な内服ブレンド例を挙げて見ますね。
症状や心身の状況、体質などによって使うハーブは変わりますので、
あくまで参考例となります。

 

 

内服例①:膿を伴うにきび炎症に
カレンジュラ25%
カレンジュラ90%エキナセア(angustifolia)根
オレゴングレープルート
バードック根 

内服例②:炎症やかゆみを伴う乾燥タイプの湿疹に
カレンジュラ25%
ダンデライオン根
クリーバーズ
チックウィード


内服例③:むくみ、冷えなどもある治りの悪い皮膚の状態に
カレンジュラ25%
クリーバーズ
ヤロー
オレゴングレープルート


あ!もちろんハーブティーでも大丈夫ですよ。
実は、皮膚の状態によってはハーブティーの方がベターという時もあります。

外用例: かゆみを伴う湿疹
カレンジュラ浸出油に皮膚の状態に合わせた適量(適切な%)の以下の精油を(ヘリクリサム/ジャーマンカモミール/ラベンダー)ブレンドし塗布、あるいはこのブレンドしたオイルをアロエベラジェルなどに混ぜて塗布も可能。

シンプルに浸剤を冷やして患部に湿布するのも有りです!

などなど、書き出したら長くなってしまうので数例にしておきますね〜

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皮膚トラブルだけでなく婦人科系の疾患でも頻繁に使うハーブの一つです。

内服例①:月経痛を伴う子宮筋腫

レディースマントル
カレンジュラ25%
ラズベリー葉
ターメリック
ローズ

内服例②:月経痛/貧血かつ血行不良を伴う月経不順
カレンジュラ25%
ヤロー
ぺオニー
アンジェリカ
チェストベリー


内服例③:月経時の骨盤あたりの痛みや不快感、お腹の張りやむくみなど
カレンジュラ25%
ヤロー
フェンネル
ジンジャー
ダンデライオン根


外用例:膣カンジダ
膣洗浄に濃いめの浸剤あるいは1〜2分軽く沸騰させた煎剤を冷まして使います。抗真菌作用の高い精油を(パルマローザ、ゼラニウム、ティートゥリーなど)をブレンドして作った膣坐薬を使用直前にカレンジュラ浸出油などに浸して使うなども行ったりします。

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その他にも

このハーブは4つの性質ではホット 1 (穏やかな発汗作用)の性質や ホット2〜3の(体液の流れを高める、体内を温める、殺菌作用)性質をも持つハーブと言われています。ハーブ用語で言うところの『体液をサラサラにする/不必要な体液を体内から動かす』と言った動くをサポートするハーブでもありますので、皮膚の例で挙げたような、『膿』などと言った体に溜まった毒素を排出すると言った目的などにも使いますし、リンパの流れを高める時や、リンパ腺の腫れ、免疫のサポートなどにも使われるハーブです。内服&うがい用例:扁桃腺の腫れに:エキナセア(根あるいは全草)+マリーゴールド 内服例:冷え性タイプでむくみやすいなどの場合:ネトル+マリーゴールド+ジンジャーなどなど本当に多様に渡って使用できる優れもののハーブです。腫瘍などと言った症状や胃潰瘍、消化促進と言った症状にも使用することがありますが、ハーブは体質によってうまく使い分けるモノ……もともと「胃に熱が溜まりやすい」タイプの方などにとってはこのハーブはホット過ぎて合わない場合もありますのでお気をつけてくださいね。